千葉県柏市、東京大学柏キャンパス内にある「お魚倶楽部はま」は、同大学の学食でありながら、れっきとした寿司店です。「大学内に寿司店!?」とこれだけでも珍しいでが、手頃な価格で本格寿司が味わえるとあって数々のメディアに取り上げられています。気になる話題の学食を体験しに行ってきました!
アイコニックな魚の看板が目印
柏キャンパスは、本郷・駒場キャンパスに次ぐ東京大学の主要キャンパスの一つで、広大な敷地には最先端の研究所・研究棟が並んでいます。最寄り駅は、つくばエクスプレス線の「柏の葉キャンパス駅」。駅からはシャトルバスが出ていますが、心地よい気候に誘われてこの日は歩いてキャンパスへ。30分ほどでキャンパスの入口に到着しました。

新緑が眩しい緑あふれるキャンパス入口。門や塀はなく、開放的な雰囲気
入口から直進するとすぐに現れるのが学融合の道(けやき並木)です。「知の冒険」をテーマに、新たな学問の創生や学問の進化を推進する柏キャンパスの中心に位置しています。

学融合の道には、さまざまな研究の一端がモニュメントやパネルを通じて展示されています
学融合の道を左折し3分ほど進むと、突き当りに見えてくるのが海洋と大気の基礎的研究を推進する大気海洋研究所です。お目当ての「お魚倶楽部はま」は、同研究所の1階に。アイコニックな魚の看板が目印です。

大気海洋研究所外観

海をイメージした(!?)鮮やかなブルーが目を引きます
丁寧に握られた寿司をカウンター席で
早速、中に入ると、カウンター席とテーブル席を合わせて16席のこぢんまりとした店内に中国人の2人組と大学職員さんと思しき女性の先客が。在店中、店内を見ていると入れ代わり立ち代わりさまざまなお客さんが来店しており、人気の高さがうかがえました。

外国人の学生や研究者の来店率も高そう。入口には手書きの英語案内も
カウンター席に案内され、お茶をいただきながらメニュー選び。20種類以上ある豊富なメニューを前に“迷える幸せ”のひと時。学食らしいリーズナブルな価格で新鮮な海鮮がたっぷり楽しめる「日替わり丼」(600円)や、「地魚5貫にぎり」(1080円)が看板メニューらしいのですが、この日は早くも売り切れてしまったよう……(残念!)。

豊富なメニューは見ているだけで楽しい
気を取り直して再検討。「あれもこれも食べたい」欲望から、「12貫にぎり」(1,100円)や「15貫にぎり」(1,780円)に目を奪われつつも、自身の適量に合わせて「にぎり」(980円)を注文しました。
さて、2010年にオープンした「お魚倶楽部はま」は、もともとは東京中野区で店を構え、ご夫婦で営む寿司店だったとか。当時、その店の近くに東京大学の研究拠点があり、常連だった同研究所の教授から柏キャンパスの学食業者入札応募の誘いを受けたことが縁で、中野から移転したのだそう。この日は、女将さんが板場に立って切り盛りしていました。待っている間、その手捌きを眺めていられるのもカウンター席ならではの醍醐味です。

ガラスのショーケースにネタがズラリと並んでいます
そうこうしているうちに、寿司下駄に乗って注文の「にぎり」が到着! マグロ(赤身)、イカ、サーモン、コハダ、ヤリイカげそ、たまご、蒸し海老、山芋オクラ、ネギトロ巻の9種類のお寿司に、嬉しいことに味噌汁まで付いています。
では、いざ、実食! 食べたいネタから食すスタイルで、まずは旬(春)のコハダから。酢締めされて臭みもなく、口の中に広がる旨味――。続いて、新鮮なイカ、サーモン、ヤリイカげに舌鼓を打ちながら、ネギトロ巻3貫を一気に平らげ、味噌汁でホッとひと息。
後半は、甘めのたまごから再開。山芋オクラの食感を楽しんだ後、肉厚でソフトな食感の蒸し海老を堪能し、ラストはサッパリとした味の柔らかなマグロで締め、あっという間に完食。
どれも本格的な味わいで、絶品の寿司ランチでした。

彩りも鮮やかな「にぎり」
お茶を飲み干し、余韻をかみしめながら退店。そうそう、店の外にブース席やテラス席も用意されていてここでも飲食が可能です。さらに、「お魚倶楽部はま」は、夜も寿司居酒屋として営業しており、地魚や深海魚など珍しい鮮魚や日本酒なども取り揃えているそう。近所ならぜひ通いたい!

ビニールカーテンで覆われたユニークな形のブース席
これから暑さが本格化する中、「さっぱりとお腹を満たしたい」と思う日も多くなりそうです。そんな時はぜひ、「お魚倶楽部はま」の寿司ランチに訪れてみてください。