2017年、大阪芸術大学に新学科「アートサイエンス学科」が開設されました。これを記念して、8/2(水)に、シンポジウムが開催!
このシンポジウムでは「アートサイエンス」について徹底的に語りつくしてくれるとのこと。アートサイエンスについていまいちピンときていないわたしが行ってきました!
当日は平日のお昼にも関わらず、会場となった大阪府国際会議場には多くの人が集まっていました。スーツの男性が多く、ビジネスマンから大きな注目を集めているんだなと感じました。
シンポジウムは15:00~17:00、18:00~20:45の2部構成となっていて、計7名の方が登壇。
第一部では、ゲルフリート・ストッカー客員教授、荻田 紀博教授、石井 裕客員教授の教授陣に加え、アートサイエンス学科が手がけるWebマガジン「Bound Baw(バウンドバウ)」の制作者である木村 浩康氏と塚本 裕文氏が講演されました。
みなさん、自身の実績を交えながら、アートサイエンスとはなんであるか、今後の展望などを話してくれました。
そのなかで印象深かったのは、石井先生の「アートとは“問いかける”こと。そしてデザインは“解決する”こと」という言葉。
わたしのなかで混同してしまっていたのですが、アートとデザインは似て非なるものであると気づかされ、なんだかすっきりした気分になれました。
石井 裕客員教授(マサチューセッツ工科大学メディアラボ 副所長)
第一部終了後1時間の休憩が。この間に会場内に設置されていたアートサイエンスを体験できる展示を見て回る方の姿が多く見られました。
木村幸司客員教授「みんなのこえ水族館」
教授陣の作品ポートフォリオがずらり
そして18:00より第二部がスタートし、猪子 寿之客員教授、村松 亮太郎客員教授のお二人が登壇されました。最前線で活躍しているお二人のお話はとても刺激的なものでした。
まずは言わずと知れたチームラボ代表を務める猪子先生の講演。
猪子 寿之客員教授
「物理的なアート作品は体に入れることができない。でもデジタルだと体の中にアートを入れることができる。アートに身体を没入する感覚を味わって、他者との関係も考えてみてほしい」と猪子先生。
たしかにチームラボの作品※には、自分自身がアートの中へ入っていくような不思議な感覚になるものが多い気がします。こんな思いがこめられて、作品が作られているなんてステキだなと、改めてチームラボの作品に魅了されました。
※チームラボの作品はこちらのページから見ることができます。
講演の最後は村松先生。2016年12月に大阪芸術大学が実施した大阪市中央公会堂のプロジェクションマッピングで総合プロデューサーを務めた方です。
村松 亮太郎客員教授
「デザインや映像など、全てのボーダーを無くして総合的にディレクションすることがアートだと気づいた」と語ってくれました。その言葉通り、村松先生が代表を務めるクリエイティブカンパニー「ネイキッド」では、テレビや広告、MV、空間演出など幅広いジャンルを手がけています。
総合的にディレクションするからこそ、統一感のあるものが生まれるんですね。
お二人の講演が終わった後、分科会の登壇者5名も再び壇上へ登場し、7名でのパネルディスカッションがスタート。ファシリテーターとしてアートサイエンス学科長・武村 泰宏先生とバウンド・バウ編集長の塚田 有那氏も登壇されました。
豪華な面々によるパネルディスカッションのなかでも特に心に残ったのが、松村先生の「アートはリハビリ」という言葉。自分は社会不適合者だから、アートを通して人と関わるためのリハビリをしているんだとのこと。
なんともアーティスティックな発言じゃないですか? こんな先生に学べる学生は絶対に貴重な経験を積んでいくんだろうな・・・。
シンポジウムが終わり、感じたこと。
アートサイエンスとはテクノロジーとアートを融合させた新しい分野であること。そして、そんなアートサイエンスの展望にアートサイエンス学科が大きく関わってくるであろうこと。最先端アートの最前線に立つこの学科から目が離せませんね。
今回のシンポジウムの内容は10月中旬発売予定の『ART SCIENCE is.』に掲載予定。購入方法などはバウンドバウにて発表されるそうなので、お見逃しなく!