2023年、西京区大枝沓掛から京都駅東部に移転した京都市立芸術大学。しかし、移転後は学生食堂が存在せず、多くの学生や教職員から開業を期待する声があがっていたそうです。そんな京都市立芸術大学に2025年4月10日、ついに待望の食堂がオープンしたということで行ってきました! キャンパスの様子とともにレポートします。
新キャンパスは“テラス”のよう
JR京都駅中央口を出て東へ歩くこと約6分で、「京都市立芸術大学」に到着しました。

スタイリッシュな外観が目印
「テラスのような大学」を掲げる新キャンパス。テラスは外に向かって開かれ、風通しや陽当たりもよく、内側と外側を共有できる点が特徴です。新キャンパスは、そんなテラスのように「開かれた」場所をめざすことから、大学関係者以外も気軽に足を運べるようになっています。なかでも注目は、キャンパス内を南北に貫く大通り「芸大通」です。学生たちの芸術活動の場としてだけではなく、ここを訪れる人々と学生の交流の場としても活用されているそう。

「芸大通」。京町家の特徴の一つ・軒下空間を思わせる庇のようなデザインが印象的
いたるところに木々があったりベンチがあったりと居心地の良い空間が広がっていて、ついついのんびり。うっかり今日の目的を忘れてしまいそうになったところで、仕切り直して食堂へ向かいます。案内図が点在しているので、外部から来ても迷子になりません。

3つの区域にわかれたキャンパス。食堂があるのはE棟
キャンパスのあちらこちらでは、音楽を聴いたりデッサンをしたりする学生の姿も見られます。邪魔をしないように現在位置から河原町通を渡ると、食堂のあるE棟が見えてきました。

大きな窓が開放的な雰囲気を引き立てます
学生の胃袋をわし掴みするメニューがずらり
さっそく中に入ると、剥き出しの配管やコンクリートの壁など、インダストリアルな空間が広がっています。

アーティスティックな天井

券売機は2台あります
さすが京都市立芸術大学……おしゃれ……とうっとりしながらメニューを見てみると、お腹にたまるガッツリ系が充実。ああ、そこはしっかり学生食堂らしいと、不思議とホッとする自分がいました。

ごはん大、麺大盛など、わんぱくなワードが並びます
運営しているのは不二家商事といって、関西圏の大学の学食を多数手がけている会社。「佛教大学」や「関西学院」などの学食にも関わっているそうです。つまり、学生の好みを熟知して、胃袋をつかみにつかみまくっているということ。これは期待が高まります。

親切な掲示も
カリッとジューシーな唐揚げランチ
中でも気になったのは「どでかいハンバーグランチ」(450円)です。この価格でどれだけ大きいハンバーグが出てくるのかこの目で確認したいと思ったのですが、13時半にはすでに売り切れ。悔しいですが、それだけ好評ということでしょう。
どうしようかとメニューとにらめっこしていると、あることに気がつきました。「唐揚げランチ」(550円)、「唐マヨ丼」(480円)、「唐揚げカレー」(480円)、「唐揚げラーメン」(500円)……唐揚げが多い! 学食の定番とはいえ、ここまで唐揚げが充実しているのは、並々ならぬ自信があるからかもしれません。
と、いうことで「唐揚げランチ」と「唐マヨ丼」を注文することにしました。

食券をここに置き、トレーを取って待ちます
ほどなくして「唐揚げランチ」のお出ましです。食欲をそそる香りが鼻をくすぐります。

大ぶりの唐揚げが5つ

ドレッシングはセルフサービス

腹ペコにはうれしいサイズ感!
ひと口かじると、カリッとした軽やかな衣のあとに、じゅわ~っと熱々の肉汁が口いっぱいに広がります。ほんのりスパイスがきいていてごはんが止まりません。唐揚げ、ごはん、唐揚げ、ごはん……と、夢中で食べているうちに、あっという間に完食。これを550円で楽しめるとは、さすが学食です。きっと大量の唐揚げを作っているはずなのに、一つひとつカラリと揚がっているのもすごいなあと、主婦目線で感動してしまいました。
こちらは「唐マヨ丼」。なんとも背徳感があるメニューです。

見た目のインパクトも大きい!
丼いっぱいに盛られたごはんの上に千切りキャベツがたっぷり。さらに、その上には4つの唐揚げがゴロリと鎮座しています。カリッとした衣にマヨネーズのコクが絡み、これまたごはんが止まりません。唐揚げメニューが充実するのもわかるなあ、としみじみ……。
こうなったら「唐揚げラーメン」と「唐揚げカレー」にも挑戦したいと思いつつ、近いうちに「どでかいハンバーグランチ」をリベンジしなければと、次の予定を考えながら学食をあとにしました。

テラス席もあります
お腹が満たされたあとはキャンパスを散策
食堂の隣には、京都の老舗画材店による購買「画箋堂」があります。美術や音楽に特化した専門画材・用具類はもちろん、日用品なども取り扱っているとのこと。一般の方も利用できるので、アートが好きな人はのぞいてみるのもおもしろそうです。

京都市立芸術大学内に購買ができたのは今回が初
今回は立ち寄れなかったのですが、C棟1階にある「京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)」では教員や在学生、卒業生などによる企画展が開催されていることもあり、一般の方も気軽に訪れることができるようです。

川沿いでもデッサン中の学生の姿が
京都駅から徒歩圏内という好立地でありながら、川や木々にも囲まれた自然豊かな環境、それでいて地域の方との距離が近く、交流できる機会があるというのはクリエイティブな発想を養うには最適ではないでしょうか。さまざまなアートに触れられ、食欲も満たされる京都市立芸術大学の食堂。ぜひ、みなさんも足を運んでみてください。