健康な体作りにはスポーツが有効!……ですが、頭で分かっていてもなかなか始められない、始めたけれど続かない、という経験がある方も多いのでは。
そんななか、立命館大学びわこ・くさつキャンパスにスポーツ施設「スポーツ健康コモンズ」が誕生しました。今回、地域の方々を対象に「『挑戦したいを応援する』運動フェスティバル」というスポーツイベントが開催されたので、このイベントを取材させていただきました。
「『挑戦したいを応援する』運動フェスティバル」は立命館大学「スポーツ健康コモンズ」竣工記念として10月22日に開催。これは、国立研究開発法人科学技術振興機構の「センター・オブ・イノベーションプログラム」に採択された「運動の生活カルチャー化により活力ある未来をつくるアクティブ・フォー・オール拠点」のプログラムの一環となるイベントです。
今回は初心者向けの講座を開講し、運動をはじめるきっかけをつくることが目的です。参加者は家族連れやご夫婦、友人同士と思われる方が多く、なんと300人以上の人たちが「スポーツ健康コモンズ」に集まりました。
開会式の様子
開会式では立命館大学スポーツ健康科学部学部長である伊坂忠夫教授、スポーツ庁地域振興担当参事官の仙台光仁氏それぞれから挨拶がありました。
立命館大学スポーツ健康科学部学部長 伊坂忠夫教授
スポーツ庁地域振興担当参事官 仙台光仁氏
続くオープニングイベントとして、「草津ダンスクラス」の小学生たちと立命館大学唯一のストリートダンスサークル「R.D.C.」がダンスパフォーマンスを披露。子どもたちの元気なダンスと「R.D.C.」の軽快なダンスが会場を大いに盛り上げました。
「草津ダンスクラブ」のダンスパフォーマンス
ストリートダンスサークル「R.D.C.」によるダンスパフォーマンス
開会式が終わると、いよいよプログラムがスタート。ピラティスやダンス入門、筋肉を支える筋膜をほぐす筋膜リリースストレッチ、ラグビー体験やフットサル体験、キッズテニスにウォーキング指導など、初心者向けに10種類のプログラムが行われ、各自興味のあるプログラムに参加します。また、立命館大学と学術交流協定を結んでいる順天堂大学によるロコモ度測定※もプログラムの1つとして実施されていました。
※ロコモ度測定
ロコモとは、筋肉や骨、関節、軟骨、椎間板といった運動に関わる部分に障害が起こり、「立つ」「歩く」といった機能が低下する「ロコモティブシンドローム(和名:運動器症候群)」の略称。この測定では「立つ」「歩く」動作によってロコモ度を計測します。
プログラムは各回45分。事前に1人につき2枚チケットが配付されており、1枚につき1つ、プログラムを楽しめる仕組みです。
今回私は取材ということで、それぞれのプログラムを見学させていただきましたので、その様子をレポートします。
まずはフットサル体験から。
ここでは子どもと大人が入り交じり、ドリブル練習からゲームまでを楽しんでいました。
また同じコート内ではラグビー体験も開催。
こちらは小学生が対象で、男の子だけかと思いきや、男女関係なく数人の小学生が集まり、慣れないラグビーボールに悪戦苦闘しつつもプレーに励んでいました。
小学生ラグビー体験。パスの練習
ほかにもキッズテニス、マットを使ったピラティスや筋膜リリースストレッチ、ダンスなど、どこも大盛況!
キッズテニス
親子で楽しめるダンス入門
成人以上が対象のダンスエアロビクス
ロコモ度診断。診断後個別の相談も行われていました
大人から子どもまで、どのプログラムも参加者の皆さんが本当に楽しそうだったのが印象的でした。私もやってみたいと思うプログラムがたくさんありました。
スポーツだけじゃない
食べ物からも健康を考えるブースも併設!
今回は、スポーツ体験プログラムだけでなく、「健康」をテーマにした「食」について楽しめるブースも数多く設置されていました。こちらは「スポーツ健康コモンズ」の外にあり、プログラム参加者だけでなく通りかかった学生たちも立ち寄っていました。
ブースは大塚製薬やキリンビールといった企業や自治体のものが中心で、健康に関する食べ物を紹介していたり、試食や購入できるところもありました。
運動を続けるきっかけ作りと仲間作りが大切
コミュニティ創生の場としての「スポーツ健康コモンズ」
ピラティスと筋膜リリースストレッチに参加されたというご夫婦に感想を伺ったところ、「普段運動をしていなくて、たまたま休みだったこともあり参加しました。継続してやらないとと感じました」と語ってくださいました。本当は全プログラムを制覇(!)するつもりだったそうですが、参加できるプログラムが2つのみだったので少し残念だったそうです。しかし終わった後は体が軽くなった、機会があればまた参加したいとのこと。
ロコモ測定とダンスエアロビクスに参加した女性からは「とても楽しかった。ロコモでは思っていた以上に筋力の足りなさを痛感しました。筋力をつけないと」という感想をいただきました。
皆さんやはり参加されると意識も少し変化するようで、運動を続けることに前向きな意見が多かったです。
ところで、普段スポーツイベントなどを見ると、1箇所で1プログラムということが多いように感じます。しかし今回のイベントでは同じグラウンドやアリーナ内で場所を区切り、あえて別々のプログラムをやるといった取り組みがされていました。
何か意味があるのでしょうか。
プログラム運営の中心となった立命館大学URAの原健太さんに伺ったところ、「同じ場所で違うプログラムをやると、もう一方のプログラムも目に入ります。そういったことで他の運動に興味をもってもらったり、そのことがきっかけで会話が生まれて、コミュニティが築かれていくと考えたからです」と教えていただきました。
見ているだけで楽しそうでしたので、次は私もぜひ一参加者として楽しんでみたい、そう思えるイベントでした。今後も「スポーツ健康コモンズ」で随時イベントを行っていく予定ですので、運動好きの方はもちろん、そうでない方もぜひ注目しておいてください!