年末に向けて気分もソワソワしてくる今日このごろ。ひと息つくのに、いつもと違うポッドキャストはいかがでしょう。「耳活」という言葉が登場してから、いまやあまりに多くの番組がありますが、大学もそれぞれ特色のあるコンテンツを配信しています。今回は気軽なものからじっくり耳を傾けたいものまで、学びを楽しめる4つの番組をご紹介します。
■同志社女子大学「ひとつぶラジオ」
まずは2022年5月にスタートしたこちらの番組から。日々のくらしや健康、キャリア、文学・アートなど、身近な話題を切り口に、同大学の先生方が専門的な知見をわかりやすく伝える内容です。「おいしいも時短も叶える調理科学」「大人になった今、知っておきたい生活と法」「現代につながる『源氏物語』の世界」など各テーマは全4回、1回約15分。慌ただしい日常の中でも気軽に聴けるコンパクトさも魅力です。公式サイトではすべてテキスト形式で内容を読むこともできます。
ナビゲーターは同大学広報課の職員、川添麻衣子さん。一般の“リスナー代表”としてご自身の経験談も交えながら「そもそもそれって何?」「これまではこう思っていたけど、本当にそう?」といった質問を投げかけます。先生とナビゲーターとの和やかなおしゃべりを楽しめる雰囲気がありながら、学び要素もたっぷり。大学の専門知識が私たちの暮らしと地続きであることを実感させてくれる内容です。
番組公式サイトより
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■筑波大学「研究室サイドストーリー」
さて、ここからはもう少し研究や学術そのものに関心がある!という前のめりな方向けの番組をご紹介します。「研究室サイドストーリー」は、筑波大学の学術情報を集約したポータルサイト「TSUKUBA JOURNAL」でプレスリリースした研究成果をもとに、なかなか表には出てこない裏話的なエピソードを中心に、先生にお話を聞くという番組です。1回完結(約20~30分)で、2022年4月から配信が続けられています。
「かっこいいシミュレーション!見えないブラックホールが見えてくる」「恐竜だって美味しいものが好き!化石から探る子どもの恐竜の食べ物」など、その分野に少しでも興味があればワクワクするようなタイトルが並びます。聞き手は、サイエンスコミュニケーターで同大学の教授でもある山科直子さん。研究の背景、面白さを先生との対話から伝え、最後にはゲストの“将来の野望”にもふれていきます。基本的な内容も前提情報としてお話があるので、プレスリリースを読まなくても、番組単体で楽しめる内容となっています。
番組公式サイトより
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■早稲田大学「早稲田大学Podcasts:博士一歩前」
次は2024年4月に始まったこちらの番組です。早稲田大学の先生方が日々の研究活動を通じて得た深い世界や、社会を理解する視点やヒントを伝えています。「知の扉」の手前から、扉の向こうへの一歩前進を後押しするという思いから、このタイトルがつけられているそう。1テーマ2~4回完結で、1回約20~30分。対象者は大学院進学を検討する学生、社会人、研究者など、知的好奇心にあふれた人向けとなっています。
テーマは「社会学【都市とは何か?】日常を問い直す社会学的感覚」や「国際関係論【争いを避けるプロセスの探求】オープンサイエンスで目指す世界平和を導く理論」など人文科学・社会科学系がメイン。研究戦略センターの教員、島岡未来子さん、城谷和代さんが聞き手となって、ゲストの著書の内容にもふれながら対話を深めていきます。公式サイトには、各回の要約、書き起こし、書籍情報、収録の様子も。番組ラインナップ=「知の扉」を開けて、知の世界へ深く浸ってみてはいかがでしょうか。
番組公式サイトより
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■東北大学「東北大学の研究第一」
最後にご紹介するのは2023年10月から続くポッドキャスト。研究・開発の状況が目まぐるしく変わっていく中、その分野に関するホットな話題を取り上げ、研究者はどう考えているのかを伺う番組です。「研究第一」とは同大学が建学以来掲げている「研究第一主義」の伝統に由来します。ここから生まれたキャラクター“研一”からの質問コーナーもあり、東北大愛が感じられる番組構成です。1テーマは3回完結。エピソードにもよりますが、30分を超える回もあります。
テーマは「金属材料研究所の超伝導専門家―実現したらノーベル賞?常温・常圧超伝導」「農学研究科の生態学者―菌類には「知性」がある?~きのこと森林のめくるめく世界~」など。広報課の方々がスピーカーとなり、取り上げるテーマの概要や時事的な話題、問いなどを丁寧に紹介したうえでお話が始まります。他の番組と比べて長めですが、自分も収録場所に同席し、じっくりお話を聞いているような気分になれそうです。
番組公式サイトより
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さて、個性ある4つの番組をご紹介してきました。研究者本人から、ここまでしっかりとお話を聞けるというのはなかなか贅沢な時間です。ニュースやプレスリリースを読むだけではわからない研究に対する熱意、人柄なども、声からひしひしと伝わってくるように感じます。通勤時間に、夜寝る前に手をとめて。ライフスタイルに合わせ、学びと発見のひとときをどうぞ楽しんでみてください。