コロナ禍で非対面、非接触コミュニケーションの模索が続く中、今回はオンライン以外のコミュニケーションや情報伝達の手法に注目。手作り感のある小冊子からラジオやテレビ、食べ物の色がもつメッセージまで、様々な情報伝達やメディアに関する記事をご紹介します。
■ラジオ
↑ ラジオを媒体に人気を博した歌手、ビング・クロスビー
●ラジオの魅力はアメリカで花開いた。四国学院大学・福永健一先生に聞く、声のメディア史
「軽く口ずさむような歌い方」はポピュラー音楽でなじみのあるものですが、実はラジオの普及と深い関わりがあることをご存じですか? ラジオが普及する以前は劇場で朗々と歌い上げるスタイルが主流。“ささやくような歌声” は、録音技術の向上とラジオ放送の普及なしには実現し得ないものでした。
まるで自分のためだけに語り、歌ってくれているような親密さ――それこそが声の文化、ラジオの本質と語る、四国学院大学・福永健一先生による声のメディア史のご紹介です。
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■雑誌
http://zineopolis.blogspot.com/p/about-collection.html
●大文字の歴史に載らない声を集める
――ポーツマス大学、ジャッキー・ベイティ博士が語るZINEアーカイブプロジェクト「ZINEOPOLIS」
カラフルでウィットの効いたイラスト、タイポグラフィー、おしゃれな写真のコラージュ――。
上の写真に写っている小冊子、一見したところアーティストの作品集のようですが、実は個人が家庭用のプリンターなどを使って手作りしたもの。
ジン(Zine:雑誌のMagazine が語源)と呼ばれ、20代~30代を中心に人気をよんでいます。
SNSで何でも発信して情報を受け取れる時代に、紙でできた冊子が人気とはちょっと意外。紙の本を手に持つことの心地よさ、人間にとっての触覚の重要性を指摘するのはポーツマス大学(イギリス)でジンの創作・研究・教育活動を行うジャッキー・ベイティさんです。詳しいお話を伺ってみました。
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■テレビ
松山 秀明先生(関西大学)のゼミ風景
●時代の「今」を伝える貴重な歴史資料、テレビから戦後日本社会を描き出す
ファミレスや空港、居酒屋など、ひとつの現場にカメラを据えて定点観測するドキュメンタリー番組や、終電を逃した人の家までついていく番組が人気です。これらの番組を未来の視聴者が見れば、間違いなく2010年代の日本社会が見えてくる、それは文字による記録とは異なる情報をもつ、と語るのは関西大学の松山秀明先生です。
ネット配信で24時間自分好みの情報だけを受けとれる時代、テレビの価値とは何なのでしょう。戦後の日本社会でテレビは何を伝え、どんな影響を人々に与えてきたのでしょうか。歴史資料としての価値や、場の共有などの視点から問い直します。
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■報道
『〈災後〉の記憶史』水出幸輝 著
●3.11の記憶を薄れさせないために私たちがすべきことは? 新鋭の社会学者に聞く、災害の記憶のつなぎ方
震災や水害などの災害の記憶が、メディアでの扱われ方や大規模イベントによって簡単に忘れられたり復活したりする――。関東大震災(1923年)の記憶が、ある国家的イベントの開催を機に忘れられかけていたことを明かすのは、災害のメディア史を研究する水出幸輝先生です。
“復興五輪” を掲げた東京2020オリンピック・パラリンピックや、コロナ禍中でその開催が取りざたされる今の世相とのつながりも感じさせられます。
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■広告・マーケティング
京都大学 久野 愛先生
●なぜ、人はおいしそうと感じるの!?
スーパーやコンビニで食べ物を選ぶとき、ほとんどの人は視覚に頼って「おいしそうかどうか」を判断しています。とくに野菜や果物などの食べごろを判断するサインとして、“おいしそうな色” は自然界の中で決まっていると考えられます。
一方、抹茶ケーキの写真を見たアメリカ人に「苔の色みたい」と言われたというエピソードも。ある食べ物を見ておいしそうと思うかどうかは、多分に習慣や文化の影響を受けています。
文化や歴史、さらにビジネスの視点から食べ物の色を読み解くと、何が見えてくるのでしょう? 京都大学の久野愛先生にお伺いしました。
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■プラモデル(!?)
●プラモデルが人気なのはなぜ? デジタル時代のモノの魅力を愛知淑徳大の松井広志先生に聞いてみた。
「おうち時間」にプラモデルや手芸など、一人で何かをつくる人も増えています。好きなキャラクターをつくりながら、アニメの世界観やシーンに思いを馳せる人も多いでしょう。
“何かを媒介する” ことがメディアの定義であれば、プラモデルというモノにも、アニメの世界観を媒介するメディアとしての機能があるのでは?と考えるのが、愛知淑徳大学の松井広志先生です。詳しいお話を伺ってみました。
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