みなさん、今年の夏はどこへ遊びに行かれますか?
海、山、川・・・アウトドアが楽しい季節ですね。そんな中、ちょっと趣向を変えて関西大学が送る3Dイリュージョンで脳と視覚の不思議を体験してみませんか?
グランフロント大阪北館に位置するThe Lab.の2階「The Lab. みんなで世界一研究所」展示ブースの一角で、関西大学の展示「脳がもたらす3Dイリュージョン!-体感によって視覚の仕組みを知ろう-」が開催されています。
私たちの目は正確に対象を捉えているようで、そうではありません。
視覚情報を脳に伝達する過程でゆがめられ、ありえない見え方になってしまうことがあります。それが「錯視現象」です。
本展示ではその「錯視現象」に関する研究を元に作られた「3次元錯視立体」のトリックアートが展示されています。
※「3次元錯視立体」って? 立体図形の表面に、逆の凹凸を知覚させる絵やパタンを描いたものです。これを見ながら体を左右に動かすと立体図形が歪んで動いて見えます。今回の展示では芸術作品や立体文字などで3次元錯視を楽しむことができます。
今日はそんな展示の中から2点の作品をご紹介させていただきます。
まずはこちら。
カラフルな「POP-OP」の文字。
これが正面なのですが、左右に動くと・・・
なんと文字が回転!
一文字ずつ山折りになったものが吊られている状態で、これはなんとか再現できるかも・・・。お子様の夏休みの宿題にもいいかもしれませんね。
(真下から見ると∧∧∧∧∧∧こんな感じです)
続いて、こちらの鯉(コイ)。
正面から見ているだけでも、立体感あふれる迫力たっぷりの作品なのですが、この鯉も先ほどの作品と同様こちらの動きに合わせて動きます。
左から見た図。こっちを見ています。
今度は右から。やっぱりこっちを見てる!
つなげてみるとこんな感じに。
とにかく鯉がこっちを見続けます。
目だけじゃなく尾びれも動いているのでご注目。ほんとに生きているみたいです。
この鯉の作品、水槽の部分が盛り上がっていて(右から見た写真が一番わかりやすいです)、鯉の絵が描かれている部分は湾曲状にへこんでいます。一体どのような原理で鯉が動いたように見えるのでしょうか。
職員の西谷さんにお話を伺いました。
「錯視の原因は、絵画的奥行き知覚と動きによる奥行き知覚の矛盾によるものです。凹面が凸面であると知覚されている状態で体を左右に動かすと、見えてくるはずの面の反対側の面が大きく見えてきます。また、大きく動いて見えるはずの凸部の動きが小さく、逆に小さく動くはずの凹部が大きく動いて見えます。つまり、絵画から受ける奥行き感と動きから受ける奥行き感が矛盾するため、つじつまを合わせるために脳は『立体が歪んで動いている』と解釈します。」
「私たちは、網膜に映った外界の像の中の様々な手がかりを使って奥行きを知覚しています。特に、右目・左目の網膜像の差(両眼視差)を使うと正しい奥行きを知覚することが出来ます。3次元錯視立体の表面には、逆の奥行きを知覚させるように絵やパタンが描かれていますが、これによる奥行き知覚(絵画的奥行き知覚)が両眼視差に勝るために錯視が起きます。ですので、錯視が見えない人は、片目で見て下さい。両眼視差の影響が無くなるため錯視が見えやすくなります。」
なるほど! と、頭で理解できたのに、視覚が追いつきません。なんとも不思議な感覚。
この展示のすごさ・楽しさはここで説明してもわかりにくいと思います。
「百聞は一見にしかず」。グランフロント大阪内と好立地で手軽に行けちゃいますので、直接みなさんの目で確かめに行ってみてください!
本当にすごいです。わたしも楽しくて、右へ左へとずっとうろうろしていました。
今回ご紹介した作品の他にも「3次元錯視立体」が展示されていますのでぜひこの不思議な感覚を体感してください。
展示会場である「The Lab. みんなで世界一研究所」には、関西大学の他にも他大学・企業の研究を展示するスペースがあり、知的好奇心が満たされること間違いなしです。
こちらの展示は8月31日(月)まで開催中です。