自炊をする人なら誰しも抱える悩みといえば、日々の献立ではないでしょうか。家にある食材や家族の好みなどを考慮しながら毎日違うメニューを考える作業は、意外と大変。そんなときにおすすめなのが、同志社大学、京都大学、大阪大学など関西の学生のみで構成されたスタートアップ企業「株式会社TADAGENIC」が開発したアプリ「レキピオ」です。
簡単に言えば、AIとチャットで話していくと、ぴったりの献立を提案してくれるというもの。同社の調査によると、主婦の7割が「今日の食事で何を作るか」に苦労しているとのこと。この悩みはさまざまな要因が絡む「複雑性」を持っていて、AIと非常に相性が良いのだそうです。
初回起動時は、家にある食材の登録からスタート。
1.野菜、2.肉・その他、3.固形調味料、4.液体調味料の順に家にある食材を登録
野菜や肉などのカテゴリごとに、食材リストを見ながら家にあるものをタップしていきます。
登録が終わったら、右下に表示される「聞く」ボタンをタップ。
すると、AIシェフこと「レキピオくん」とのチャット画面に切り替わります。レキピオくんからの質問に、画面下の選択肢ボタンで答えていきます。
LINEなどのメッセージアプリでおなじみのUIなので戸惑うことなく進められる
順番に、料理のジャンル(和食/洋食/中華/なんでも)、一緒に食べる人(家族/一人/友達/その他)とその人数、こだわり(時短/低カロリー/特になし)を回答。
今回は「家族2人で食べる和食の時短メニュー」をお願いしました。
優先的に使いたい食材を選択。食材の写真も表示されるのでわかりやすい
最後に、優先的に使いたい食材を聞かれます。先ほど登録した食材が表示されるので、タップで選択。今回は、賞味期限切れが気になっている「豆腐」と「もやし」を選んでみました。
スライド表示で4品のメニューが提示される
回答を元に、レキピオくんが献立を提案してくれました。写真を見て気に入らなければ、変更することもできます。
おすすめ献立が完成。ここでも別のメニューに変更可能
「決定」をタップすると、本日のおすすめ献立が表示されました! メイン・サイド・スープ・ご飯ものが4品組み合わせられています。
各メニューの写真をタップすると、くわしいレシピを見ることができます。
レシピ画面。代用食材は黄色、不足食材は赤、食材登録リスト外はグレーで表示される
確かに、質問への回答に合った、家にある「鶏肉」「豚肉」「豆腐」などで作れる「和食」メニューです。どれも15分で作れて「時短」もクリア。人数分の分量や、家にあるもので代用できる食材なども表示されています。
ただ、よくよく見ると足りない材料もありました。食材登録リストにあるものは赤字、ないものはグレーで表示されるので、「ごぼうはなくてもいいかな…」「帰りに買って帰ろう」など、判断するヒントになりそうです。
さらに何回か試していると、レキピオくんからこんな質問が。
いつものように献立を相談しようとしていたら…
「あなたのことについていろいろ知りたいです」と突然の告白。「いいよ」と答えると、呼び方(名前)、性別、生年月日、何人で暮らしているか、誰と住んでいるかを聞かれました。これでよりぴったりの料理を提案できるようです。
WEBサイトやアプリで自分の情報を登録することはよくありますが、こんな風に会話形式で話しかけられるとハードルが低くなり、素直に答えてしまいました。AIにしてやられている気がします…。
「女性」と回答すると「ちゃん付けで呼びますね!」と…レキピオくん、意外とチャラくないか!?
一通り使ってみて、食材登録から献立提案まで導線がとてもスムーズで、使いやすい! 直感的な操作性は、デジタルデバイスやスマホアプリを幼い頃から使いこなす現役大学生が開発したからこそではないでしょうか。AIとチャット形式で進めていくのも、普通の検索サイトとは違ってちょっと楽しい。
メインとなる献立提案については、場合によっては不足食材が多くなってしまうこともあり、一発でズバッと決定!というのは現時点では難しいかもしれません。しかし、献立を考えるうえでいちばん大変なのは、候補になり得るメニューをたくさん挙げること。自分の代わりに未知のレシピを提案してくれる「レキピオくん」は、相談相手ができたようで心強いです。アプリは随時アップデートされているので、今後の精度向上にぜひ期待したいところ。
また、TADAGENIC社は「レキピオ」を通じてパーソナルデータの取得を行うことで、外食市場や食品小売市場などへの展開も考えているそう。食の領域から世界トップを狙う学生スタートアップのこれからにも注目です。