学食というと、安い、多い、でも味はイマイチ……。そんなイメージを持っている人が大多数なのではないだろうか。でもこれはもう昔の話。今の学食は知る人ぞ知るグルメスポットなのだ。この学食を気持ちよく使うために、知っておいて欲しいことを、今回はまとめて紹介したい。
お客様じゃなく、利用者という意識で。
通常、レストランでは席に座るとオーダーをとりにきてくれるし、料理をテーブルに運んできてくるのが当たり前。しかし、学食でそれを期待してじっと座っていても、おそらく料理にありつけることは永遠にないだろう。というのも、多くの学食は食券を買って調理のおばちゃんに渡すタイプか、並んでいる料理をとってレジで精算をするタイプのどちらか。さらにいうと、食べ終わった食器は自分で返却口まで持っていくのが、学食の常識である。
学生からしてみれば、こんなことは当たり前なのだが、悲しいかな取材をしていると、時折、こういったルールを理解していない一般人のマナーの悪さを耳にすることがある。
学食はサービスを減らすことで料金を抑え、学生たちに安くて美味しい料理を提供している。だから一般の人も利用するときは、お客様という意識を捨て、つつましく利用をしてもらいたい。郷に入っては郷に従え、である。
大阪大学・学食名物の天津麻婆丼
学食ゴールデンタイムは避けるべし。
学食を使う上で、忘れてはいけないルールがもう一つある。それは、12時〜13時半の学食ゴールデンタイムを避けて利用することだ。学生たちが学食を利用するのは、2限目終わりから3限目がはじまるまでの昼休みの時間帯に集中している。昼休みがはじまるまではガラガラだった学食も、この時間になると、まちの繁盛店なんか比べものにならないほど、人でごった返すのである。ただし、昼休みが終わると多くの学生は授業に出るので、嘘のように人が減っていく。ちょっとした思いやりとスケジューリングで、この時間帯をはずして学食を利用すれば、だいぶ気持ちよくランチを楽しめるはずだ。
さらにいうと、平日に比べて土日は学食利用者がかなり少ないので、かなり快適に利用することができる。しかし、営業時間が平日とは異なる場合が多いので、事前にチェックしておくのがいいだろう。また、大学が長期休暇に入ると営業時間が変わったり、店を閉めてしまったりするところもある。せっかく足を運んだのに店が閉まっていると、テンションが下がってしまうので、8~9月、2~3月に利用する場合は注意して欲しい。
学内レストランを楽しもう。
いろいろと書いたが、実はこれまで書いた内容があまり当てはまらないタイプの学食もある。これはそもそも一般の人の利用を視野に入れてつくられたもので、学食というより、大学にあるレストランといった方がしっくりくる。これまでほとゼロで取り上げた、京都精華大学の「REATA」、武蔵野大学の「ロハスカフェARIAKE」、京都大学の「カンフォーラ」、名古屋大学の「シェ ジェロー」なんかがこのタイプだ。
このタイプについては、学内にありはするもののほぼ通常のレストランなので、学食ならではのルールをそこまで気にする必要がない。値段については、さすがにセルフサービスの学食に比べると少し高く、通常のレストランに近い。とはいえ、レストランとして高い評価を受けている店もあり、学食らしくないオシャレな店も多いのだ。
京都精華大学「REATA」。のんびりコーヒーを飲むこともできる
学食らしくないオシャレな雰囲気の武蔵野大学「ロハスカフェARIAKE」
緑が多く広々としたキャンパスや、学生たちが行き交う様子を眺めながらいただく食事は、普段の慌ただしさを忘れさせる至極のひとときである。安くて美味しい学食を楽しむのもいいが、たまにはグルメスポットとして大学を利用してみるのもアリではないだろうか。