夏真っ盛り、ますますお酒が美味しく感じられる季節です! 東京・松屋銀座にて、大妻女子大の学生たちが創作した日本酒カクテルが期間限定で販売されていると聞き、取材に行ってきました。女子大生×日本酒という組み合わせが、どんなカクテルを誕生させたのか、気になるところです。
味も見た目も楽しめる一杯
このイベントは、大妻女子大学家政学部ライフデザイン学科宮田ゼミが主導する「日本酒文化発信プロジェクト」と松屋銀座が連携して実施しているもの。松屋銀座地下1階の日本酒売り場(グルマルシェSAKE)内の「KIKIZAKE BAR(キキザケバー)」にて、7月28日まで期間限定で開催しています。
“お酒はたしなむ程度”の私ですが、早速、売り場を訪れて、ライフデザイン学科3年生の布施さんと高野さんにおすすめしてもらった「湘南サンライズ」(税込648円)を注文。出てきたカクテルは、ブルーハワイと湘南産「青摘みみかん」のツートンカラーに彩られていて、混ぜると淡い緑に変わりました! 女子大生考案のカクテルだけあって、女性ゴコロを掴む演出です。
新鮮な酸味が口広がる「青摘みみかん」の果汁
混ぜると色が変わる演出が女性に好まれそう
「ほわん」と豊かな日本酒の香りが良く、「青摘みみかん」の酸味が効いた味で、さっぱりいただけました。百貨店の中にある立ち飲みスタイルのバーなので、買い物のついでに、女性一人でも立ち寄れるのが便利です。
日本酒コーナーの一角にある立ち飲みカウンター
日本酒文化と若者の擦れ違いを埋める
そもそも、なぜ大学生が日本酒カクテルを創作することになったのでしょうか。企画・運営者である「日本酒文化発信プロジェクト」の宮田教授にお話を伺いました。
「とくに若い人たちにとって、日本酒が縁遠い存在になりつつあります。酒器のデザインが若い人たちの好みでなかったり、嗜好する年齢を高く捉えていたり、さまざまな理由があると思います。こうしたイメージを払しょくすることで、日本酒文化の魅力を伝えることができるのではないかと考え、日本酒文化をPRする活動をスタートさせました」と宮田教授が取り組みの経緯を説明してくださいました。
この「日本酒文化発信プロジェクト」は、2014年4月に立ちあがった「“和の暮らし”推進プロジェクト」の一環としてスタートしたもので、これまで都内で開催された「地酒まつり」にも参加するなど、積極的な活動を展開しています。今回、松屋銀座の出店は「地酒まつり」など、一連の活動に共感した百貨店関係者からオファーがあり、実現できたそうです。
「商業の中心地・東京の銀座で販売することで、日本酒に対する消費者の意識や動向を探ることができると考えています。今後も、日本酒文化に関わる活動を継続していきたいです」。
自分たちが頼みたいと思うカクテルをつくる
宮田教授のゼミ生で、プロジェクトに参加している布施さんと高野さんは「これまで、友だちと飲みに行っても、ほとんど日本酒を注文しなかった」と、若い人ならではの経験談を話してくれました。元々、日本酒への興味は薄かったそうですが、ゼミで日本酒を知るうちに気持ちに変化が現れたとか。
「ゼミで日本酒を試飲するようになって、美味しいと思いました。だからこそ、私たちと同じようにこれまで頼んでみたことがない人でも、気軽に飲めるカクテルをつくりかたったんです」。メニューの開発にあたり、何度も嗜好を重ね、ご当地名産と日本酒の味が、お互いを引き立て合う絶妙の組み合わせを見つけたと振り返ってくれました。
こうして試行錯誤の末に完成したオリジナルカクテルは、スイーツ系とご当地カクテルの全10種類。「おじさんっぽい」「気軽に飲めない」など、日本酒のマイナスイメージを払しょくするために、ネーミング、味、見た目の全てにおいて、若い人たちや女性の好みを意識しています。7月28日(火)までの期間中は、10種類の中からピックアップされたカクテルが週替わりで登場します。
期間中の週末は、カクテルを説明するためにゼミ生が店頭に立つ予定です。開発ストーリーを聞くことで、カクテルの味わいもぐっと深く感じられるはずです。
プロジェクトに参加学生の高野さん(左)布施さん(右)
日本酒……憧れはあるけれど、実際に注文するのは、カシスオレンジ、ジントニックと横文字のメニューが多かったりしませんか? もちろん、私もその一人だったのですが、女子大生が発信する新しい日本酒の味を知って、お酒の楽しみが広がる様な気がしました。
松屋銀座地下1階の日本酒売り場