JR杉本町駅を降りるとすぐ目の前にあらわれるのが大阪市立大学。日本初の市立大学として明治時代に建学された歴史ある大学です。
今回の大学訪問のお目当ては、長く大阪市大生に愛される名物メニューが食べられる、田中記念館1階の「レストランめたせこいあ」です。明るい光が差し込む大きな窓の外には芝生庭園が広がり、天井が高く開放的な雰囲気のレストランで、さわやかな気分で食事が楽しめそう。
栄養バランスのよい日替わり弁当などの人気メニューもありますが、やはりここを訪れたならぜひ一度は食べてみたいのが「夏爐のレモンライス」です! これは、30年以上の長きに亘って市大生の憩いの場として親しまれながらも10年ほど前に閉店してしまった喫茶店『夏爐』の名物メニューを引き継いだもの。思い出の味を惜しむ人たちの声に応え、店主から教わったレシピをもとに学長自らが主導して復活させたのだそう。それ以来、学食の定番メニューとなり、めたせこいあではトマトジュースかスープが付いて820円で提供されています。
市大生OBにも人気な名物料理!
さっそく注文すると運ばれてきたのは、見た目はレモンが添えられているごく普通のチャーハン。まずはレモンをかけずに一口。しっかりと濃い目の味付けで、ほんのりとラードの香りがします。このままでも十分に美味しいのですが、レモンを上からギュッと絞ってみるとチャーハンが大変身! 爽やかな酸味が絶妙にマッチしたレモンライスになりました。いり卵、グリンピース、干し椎茸とシンプルな具しか入っていないのに、食べ飽きることなく最後までパクパクと食が進むのは、爽やかなレモンのマジックですね。ごはんのパラパラ加減が良く、ゴロゴロと大きめの干し椎茸の旨みが効いているのも美味しさの秘訣です。このレモンライスを食べるために卒業生がわざわざ母校を訪れるという話も納得の味でした。
ちなみに、店名の「めたせこいあ」とは、かつて大阪市大の教授が化石として発見した植物のこと。その後に中国で生存が発見された珍しい植物で、“生きている化石”として注目を集めました。このエピソードについては、以前の記事「国境を越えた学者のこころ『メタセコイア物語』」をご覧ください。レストランのある田中記念館の敷地内にも、メタセコイアは植えられているので、お食事の際はぜひ立ち寄ってみてください。
太古から生息するメタセコイア。店名の由来にもなった