暑さが厳しくなると、つるんと滑らかな口当たりのいいスイーツが食べたくなるもの。何かないかと探していたら、夏にぴったりなスイーツを見つけました。その名も「豆蜂(トーファン)」。豆乳とハチミツでできた新食感なスイーツで、武庫川女子大学 食物栄養科学部 食創造科学科の有井康博教授の研究室と神戸市の食品会社・ハートスフードクリエーツによって開発されたよう。早速このスイーツを食べてみたのでご紹介します!
新技術から考案されたスイーツ
豆乳ににがりを加えると豆腐になることは知られていますが、有井研究室では、にがりの代わりにハチミツで豆乳を固める方法について研究し、その技術を使ってつくられたのが「豆蜂」なのだそうです。
お手製のチラシ。商品への愛情がたっぷり!
ハチミツが豆乳を固めるのは、グルコン酸という成分によって。有井研究室ではこの成分の含有率が高く味や香りのバランスのいいハチミツを、国内外20種類以上のハチミツの中から探しました。結果、たどり着いたのが、通常の蜂よりも小さな日本蜜蜂がつくる、淡路島産のハチミツなのだそうです。
サイトで日本蜜蜂について調べてみると、整腸効果や抗菌性のあるグルコン酸が他のハチミツよりも豊富に含まれているとのこと。小さな日本蜜蜂が運ぶ“希少”で“栄養価も高い”最高級ハチミツ。別の機会に、ぜひハチミツだけでも試したいなと思いました。
また、「豆蜂」のラベルのロゴやデザイン、商品名は学生が考案したようです。流行の台湾スイーツのような商品名は、豆乳とハチミツでできていることが一目でわかるように漢字を組み合わせた造語なのだとか。なるほど、アイキャッチになっているイラストはかわいらしく、ロゴはスタイリッシュ。学生ならではの目線で、商品化に向けて全力で取り組んだ様子がうかがえます。
よくよく見ると、こだわったイラストやロゴが点在!
パティシエ指導のもと、学生がゼリーやフルーツの飾りつけも提案。断面が美しい!
甘みがあるのに低カロリー
ではとうとう実食です。種類は、ベースになっている豆蜂部分の上に、抹茶のゼリー、サツマイモ、栗、黒豆、小豆がトッピングされた贅沢な「抹茶」。アールグレーティーのゼリー、ネーブルがトッピングされた爽やかな「紅茶」の2種類。豆蜂部分の材料は豆乳とハチミツのみで食品添加物は一切不使用、体にやさしいのもポイント高し!しかも美味しいだけでなく低カロリー(1個あたり紅茶が51kcal、抹茶が66kcal)なのも◎。
筆者おすすめは抹茶味。口に入れると、豆乳とハチミツの上品な香りが広がり、後からサツマイモや栗のほっこりとした甘味が合わさる。何より抹茶がアクセントになっていて、味を引き締めているように感じました。食感はプリンのように柔らかく、のど越し軽やか。食べ始めると、美味しさのあまり、あっという間に完食してしまいます。
抹茶(写真上)と紅茶(写真下)。それぞれ480円。
商品の購入はハートスフードクリエーツが運営するスイーツ店「TOKINONE」(神戸市東灘区)や9月からは武庫川女子大学の学内でも販売される予定。量産できる商品ではないとのことで、購入される際は、事前の予約がベター。この夏の手土産に、自分へのご褒美スイーツとして、一度はお試しあれ!
パイ専門店「TOKINONE」の店内には、甘い香りが漂う。