年の暮れに毎年紹介している、ほとんど0円大学・年間PV数ランキングトップ5の2020年版をお届けします。
昨年は大学のカフェ(学食)を訪れてまったりと過ごしたレポート記事が第1位でした。さて、今年はどんな記事が人気だったのでしょう?
過去のランキング:2019年版、2018年版、2017年版、2016年版、2015年版
5位 珍獣図鑑(2):身近なのに謎だらけ! ナメクジの研究は不人気ゆえに面白い!?
2020.5.14公開
直接被害を受けたことは無くても、そのヌメッとしたビジュアルから「気持ち悪い」と嫌われがちなナメクジ。ところでナメクジのことどのくらい知っている?カタツムリとはどういう関係?と聞かれたら…答えに窮するという人も少なくないのではないだろうか…記事本文はこちら
第5位には、ひときわユニークな生物の研究を紹介する企画として今年始めた『珍獣図鑑』から、ナメクジの回がランクイン。ナメクジは結構な嫌われ者ですが、実際何者なのかは案外知られていません。どんな種類がいるのか?繁殖の方法は?カタツムリと何が違う?京大大学院の宇高寛子先生に取材を敢行。色々と知ってみれば、なかなか面白い生き物です。「単なる不快な害虫」というイメージが変わる、かもしれません。
4位 龍谷大学が復刻! 幻のラジオ体操第3で運動不足を解消しよう!
2020.6.4公開
国民的体操として知られるラジオ体操。第1と第2に加えて、実は「第3」があるのをご存知ですか?ラジオ体操の変遷の中で幻と化してしまったのですが、龍谷大学の安西将也教授(社会学部 現代福祉学科)と井上辰樹教授(社会学部 コミュニティマネジメント学科)が2013年に復刻。新型コロナウイルス感染拡大抑制のための外出自粛…記事本文はこちら
第4位は龍谷大学・安西先生(公衆衛生学)と井上先生(運動生理学)が復刻に携わったラジオ体操「第3」の話題。実は第3(しかも初代と2代目の2種類)があったラジオ体操。外出自粛やテレワークで運動不足が懸念される今、結構な運動になる体操だということで注目されています。記事では2代目の体操の再現動画を視聴できます。図解があるとはいえ、当時ラジオ音声でこれを覚えるのは難しかったのでは…ともあれ、楽しい動きで、健康づくりにも効果的だそうです。
3位 京大×ほとぜろ コラボ企画「なぜ、人は○○なの!?」【第12回】なぜ、人はいろんなエッチが好きなの!?
2020.4.1公開
♠ほとぜろ 今回は、エッチについてという、普段なかなか正面から話すことのないテーマです。エッチとはまず、生殖活動ですよね。
♠田中先生 そうなんですけど、そうでもないんですね…記事本文はこちら
京大とほとぜろがコラボした当サイトの人気企画「なぜ、人は○○なの!?」から、人の性をめぐる現象について文化人類学者の田中雅一先生に取材した記事が3位にランクイン。生殖といった手段-目的に限られない人間のセックス(エッチ、変態)の自由さ、性の規範を批判的に検討するためにも性について自由に語れる状況をつくることが重要、といったなかなかおおっぴらには話題にならない(しかし大切な)話がバシバシ展開されています。
2位 珍獣図鑑(3):元祖・哺乳類!? カモノハシはヘンテコなのが魅力的
2020.6.18公開
アニメや企業ブランドのキャラクターにもなっていて、なんとなく身近な印象のあるキュートな動物、カモノハシ。自分が知らないだけで、どこかの動物園にはいるのだろう、なんて思っていたけれど、日本国内どころか、カモノハシに出会える場所は現在、オーストラリアしかないという。そんなカモノハシが研究対象になったきっかけは?…記事本文はこちら
第2位は、『珍獣図鑑』のカモノハシの回。名前はよく聞きますが、哺乳類なのに卵を産むし、くちばしや水かきがあるし、よくよく考えるとだいぶ変わった生き物です。ヒトを含む哺乳類との関係、カモノハシの祖先の姿、咀嚼するのに歯を持たない理由、外交の道具に用いられてきた歴史、そして意外な「大きさ」などなど、カモノハシ研究で注目を集める愛知学院大学の浅原正和先生に詳しく伺いました。カモノハシグッズに溢れた研究室にも注目。
1位 夜空に異変! ベテルギウスが超新星爆発? 京都産業大・神山天文台で聞いてみた。
2020.3.12公開
2019年の秋、天文ファンを賑わすあるニュースが報じられました。冬の星座の代表オリオン座、そして冬の大三角のひとつとして夜空に赤く光り輝く「ベテルギウス」が、どんどん暗くなっているというのです。年が明けてもベテルギウスは暗くなりつづけ、「超新星爆発」の兆しではないかと世間を賑わせました…記事本文はこちら
そして第1位に輝いたのは天文ファンにはたまらない話題に切り込んだこちらの記事。ニュースにもなった「ベテルギウスの減光現象」、そして「超新星爆発」。何となくすごそうだが、実際のところどういうことなのか?京都産業大学・神山天文長の河北秀世先生にお話していただきました。ベテルギウスのような老いた星はシャボン玉のようにブヨブヨ歪むというのも面白いです。大宇宙で展開する超人間的スケールのダイナミックなドラマを感じることができる内容になっています!
さて、「トップ5の紹介」を謳っておきながら何なのですが、今年は「記録」するという意味でもタイトルのみ10位まで挙げておきましょう。
6位:哲学×映画『メッセージ』:私たちは未来を予期して生きている? 傑作SFを哲学で読み解く(記事)
7位:京大×ほとぜろ コラボ企画「なぜ、人は○○なの!?」【第11回】なぜ、人は神話を愛するの!?(記事)
8位:言語学×『もののけ姫』: 言語学者がジブリアニメを分析! キャラの言葉づかいから読み解く『もののけ姫』(記事)
9位:命との向き合い方を問いかける。興福寺 × 近畿大学、学術的知見を取り入れた伝統行事「放生会」(記事)
10位:地球外知的生命は必ず存在する! SETIの第一人者、兵庫県立大の鳴沢真也さんに聞いてみた。(記事)
このように、今年のトップ10はすべてが研究や学問分野の紹介記事という結果でした(9位は公開行事でもありますが)。
学食の食レポや市民向け講座のレポートは、新型コロナの影響でなかなか記事をつくるのが難しかった年でした。そのぶん、例年以上に幅広い領域に渡る研究紹介記事をお届けすることができたのではないかと思います。ウイルスにとっては新年も何もないでしょうが、心情としては、来年は再び学食や公開講座の参加レポートも充実させることができたら嬉しいです。
以上、2020年のほとぜろ人気記事の紹介でした。みなさま、良いお年をお迎えください。